2013年5月25日土曜日

30代後半男女の状態の学歴比較図

 ちょっと話題を変えましょう。前々回の記事では,結婚や出産を経るにつれて若年女性のすがたがどう変異するかを面積図で表現しました。今回は,同じやり方によって,私が属する30代後半人口のすがたが,学歴によってどう異なるかを視覚化してみようと思います。
 
 私は,30代後半男女の学歴別の労働力状態を明らかにしました。用いたのは,2010年の『国勢調査』(産業等基本集計)のデータです。
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/index.htm

 まずは,グラフ化する前のデータをみていただきましょう。下表は,30代後半男性の労働力状態の分布を最終学歴別にみたものです。労働力状態が不詳の者は除外しています。


 4つの学歴グループの量をみると,中卒はわずかです。私の世代が15歳の頃は,もう高校進学率は95%を超えていましたしね。最も多いのは高卒の182万人であり,この群が全体の4割ほどを占めています。私の世代ではまだ,大卒者よりも高卒者のほうが多いようです。でも,より下の世代では,これが逆転していることでしょう。

 2010年10月時点の労働力状態をみると,学歴群によってかなり違っています。正規雇用就業の比率は学歴が上がるほど上昇しますが,非正規雇用や失業の比重はその逆の傾向を呈しています。

 一番下の非労働力とは,働く意欲がない者のことであり,学生や主夫からなりますが,この年齢層の男性の場合,多くがニート(Neet)であるとみてよいでしょう。このニート率も,学歴ときれいに相関しています。

 では,上表の学歴別労働力統計をグラフ化してみましょう。下図をご覧ください。普通の帯グラフとは異なり,ヨコの幅によって,4つの学歴群の量も分かるようにしてあります。


 量的に少ない中卒者の構成の特異性が目立っています。語弊があるかもしれませんが,昔に比べてマイノリティー化している分,この層に困難が濃縮されている,という見方もできるでしょう。

 上記は男性の図ですが,女性の図も掲げます。労働力状態が判明する,30代後半女性415万人の学歴別労働力状態分布図です。


 女性では,ピンクの非労働力の領分が大きくなっていますが,大半が家事専業の主婦であると思われます。主婦の比率の学歴差はほとんどありません。ですが,働き方(正規雇用or非正規雇用)の様相は,男性と同様,学歴による違いが大きいようです。

 学歴社会ニッポン。これって,現代日本の特徴なのか。時代比較や国際比較ができれば面白いのですが,それは叶いません。

 次回は,話を戻して,幼子を抱える若年女性の専業主婦率と,保育所供給率,有配偶女性の親同居率の相関分析をしようと思います。