2015年10月15日木曜日

壮年男性の体格の国際比較

 秋も深まってきましたが,いかがお過ごしでしょうか。食欲の秋,スポーツの秋,芸術の秋・・・。秋を言い表すタームはいろいろありますが,私の場合,1番目はなるべく抑えて,2番目に力点を置かないといけません。如何せん,太り気味なものでして。

 ご存じの方が多いかと思いますが,身長と体重から肥満度を割り出す簡便な尺度があります。それは,BMIです。Body Mass Indexの略称で,体重(kg)を身長(m)の二乗で除して出します。2つの数値を入力すれば,値を自動的に出してくれるサイトもあります。
http://www.health.ne.jp/check/bmi.html

 私は身長が177cm(1.77m),体重が75kgですので,BMIは23.9と算出されます。これをどう評価するかですが,BMIが25.0を超えると肥満と判定されるそうです。むうう,私はこのラインに近づきつつあります。反対に18.5に満たない人は,「やせ過ぎ」と判定されます。

 これは,舞田敏彦という39歳のオトコの例ですが,同年代の男性のBMI分布はどういうものでしょう。自分の位置を知りたくなります。また他国では,どうなっているか。ハイカロリーの食事の米国では,BMIが高い人が多いのではないか,と思われます。

 今回は,30~40代男性のBMI分布の国際比較をしてみようと思います。別名,肥満の国際比較です。ISSP(国際社会調査プログラム)が2009年に実施した,健康に関する調査のデータを使います。ローデータのファイルを開くと,個々のサンプルについて,身長と体重が掲載されています。これをもとに30~40代男性のBMIを出し,その分布を明らかにしてみました。
http://www.issp.org/index.php

 まずは,日本と米国の分布をみていただきましょう。下図には,BMIを算出できたサンプルの分布が描かれています。日本は191人,米国は233人の分布曲線です。


 日本は21.0~21.9,米国は23.0~24.9の階級にピークがあります。やはり米国のほうが高いゾーンに多く分布していますね。

 さてBMIが25.0を超えると肥満と判定されるのですが,これに該当する者の割合は日本が31.4%,米国では71.7%です。前者では壮年男性の3割が肥満ですが,後者の大国では7割にもなります。よくいわれますが,肥満大国です。

 調査対象となった他国の分布もみてみましょう。各国の30~40男性を「やせ(18.5未満)」,「普通(18.5以上25.0未満),「肥満(25.0以上)に分け,これら3群の組成を帯グラフにしてみました。肥満者の比重が高い順に33か国を並べています。

 なおISSPの国際調査では,ドイツは対象者が西と東に分かれています。西ドイツ,東ドイツとあるのは,そのためです。ワロンとフランドルは,ベルギー内の地域です。


 アメリカがトップですね。東欧の社会も,働き盛りの男性の肥満率が高し。しかしまあ,黒色の領分が大きく,33か国中25か国で,壮年男性の肥満率が半分を超えています。

 アジア諸国は,肥満率は相対的に低いようです。日・韓・中はおよそ3割,最下位のフィリピンは2割にも達しません。肉食の欧米に比したら,やはりこうなりますか。

 私としては,ブラジルやアルゼンチンのような南米社会の肥満率に興味を持ちます。草履のようなステーキをバクバク食べる国民ですが,もしかしたらアメリカよりも高いのでは・・・。ISSPの調査対象になっていないのが残念です。

 最後に,自分のBMIが国内の分布でどの辺りかを知る目安を得ておきましょう。私のBMIは23.9ですが,肥満ラインの25.0には達していませんが,日本国内の壮年男性の中でみると,どの辺りに位置するのか。

 これを知るには,分布の累積相対度数分布を描くのが便利です。相対度数を低い階級から積み上げた(累積した)グラフです。日本とアメリカのカーブは,下図のようになります。


 50%はちょうど半分で,75%は上位4分の1の位置です。日本をみると,半分のラインは22.5,上位4分の1のラインは25.5くらいでしょうか。私のBMI値(23.9)は,半分よりは高い位置にあります。BMIが25.5を超えると上位4分の1以内,27.0を超えると上位10%以内に入るという感じです。

 当然,米国は,それぞれのラインはもっと高くなります。BMI27.0は日本では上位10%以内の肥満者ですが,米国では全体のちょうど中ほどです。

 今回の統計で,自分のBMI値の絶対水準,国内での相対水準を知ることができました。肥満ライン(25.0)の一歩手前であること,国内の同年代男性の半分より上であることに,少しばかりの危機感を抱きます。

 体格のコントロールが必要ですが,無理なダイエットはしないつもりです。その分,体を動かす。よく動き,よく食べる。この方向で行きたいと思います。毎朝の50分ウォークも定着してきました。出勤日は駅まで歩いています。駅構内でも,なるべく階段を使っています。無理のないペースで,徐々にレベルを引き上げていくつもりです。