2016年3月25日金曜日

ツリーマップ

 先月にパソコンを新調し,それまで使っていたエクセル2007が2013に変わりました。グラフ作成の操作法が変わっていて,ずいぶん戸惑いましたが,やっと慣れてきました。

 昨日,オフィスの自動バージョンアップにより,さらに最新のエクセル2016になりました。グラフの作り方は2013と同じですが,作成できるグラフの種類が増えています。

 新たなグラフとして,「ツリーマップ」というのが追加されています。データの階層構造(組成)を表すのに使えるのだそうです。
http://www.petitmonte.com/excel/excel2016_treemap.html

 ちょっと試してみると,これがなかなか面白い。私が属する30代後半男女の労働力状態を,この図法で表現してみましょう。下表は,2012年の『就業構造基本調査』から準備した元データです。


 男性476万人,女性464万人の内訳ですが,前者では正社員,後者では非正規職員が最も多くなっています。女性の無業者は,多くが専業主婦(家事従事)です。

 これを,件のツリーマップグラフで表現すると,下図のようになります。


 各カテゴリーの比重が,四角形の面積で表現されています。私がよく使うモザイク図では,縦に積み上げる方式しかなく,少量のカテゴリーは判別困難なほど細長の図形になってしまうのですが,上記の図法ではその弊がなくなっています。できるだけ判別可能になるよう,各カテゴリーの図形の位置が,柔軟に変更されるようになっています。これはいい。

 上図は2012年の断面ですが,1992年の図形と並べてみましょう。この20年間の変化が見て取れます。


 男性は,非正規の比重が増しています。1992年では2.7%でしたが,2012年では1割近くです。雇用の非正規化とは,このことです。

 女性は以前に比して無業者(主婦)の割合が,ちょっと減っています。これでもって,女性の社会進出進展と評されることが多いのですが,正社員よりも非正規職員の増分が多くなっています。正社員は25.9%から29.0%への微増ですが,非正規職員は22.0%から33.7%と,10ポイント以上の増です。非正規依存型の社会進出です。

 グラフのレパートリーが増えました。これもまた,いろいろな社会現象を可視化するのに使えそうです。